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あなたの背中
第3章 人との距離感
「 ただいまぁ〜… 」
解散後、アパートまで圭に送ってもらい家に着く。誰もいない部屋に、帰ってきたら必ず"ただいま"と一言いうのは、習慣になっていた。
「 つかれた…… 」
特に何をした訳でもないのに、精神的に疲れていた。慣れていない輪の中に入るのはなかなか難しい。
ドサっとベットに倒れ込むと、ピロリロリンッ と携帯が鳴った。
「 んん ……… 」
携帯を開くと先程登録したばかりの彼の名前が映し出されていた。
ー 神谷 春樹 ー
それはメールだった。
ドキッと心臓が高鳴る。
同時に、冷たい態度をとられてしまったことがよぎる。
ピッ …ー
少しながら震える手でメールを開封すると、そこには…
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今日はお疲れ。
人見知りしまくって、悪かった。
俺の事はハル君でいいから。
むしろ、そう呼んで欲しい。
これから、よろしくな。
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… 驚きだった。
彼も人見知りをするんだ… と。
そして
" ハルくん "
そう呼んで欲しいと… ー
思わずギュッと携帯を抱きしめる。
お近付きになれたことが、嬉しくて …
まさか貴方と近づける日が来るなんて…
「 ふふっ… ♪ 」
嬉しくてニヤける顔を我慢しながら、ベッドの上で寝返りを打ち、再び携帯の同じ画面を見る。
ー かみや はるき ー
ー 神谷 春樹 ー
間違いなくその名前から来たメールだと再度認識する。
ドキドキと胸が早くなる中、返信ボタンを押し、文章を打ち込み始めた。
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お疲れ様です。
素敵なメンバーの中に招いてくれてありがと。
これからは、ハルくんって呼ぶね。
よろしくおねがいします♪
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たったこれだけの内容。
なのに、打ち間違えてないか何度もチェックした。
ドキドキする心臓をギュッと堪えて…
少しだけ震える手で、送信ボタンを押した …ー