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あなたの背中
第3章 人との距離感
親睦会開催から2日が経ち月曜日になった。
月曜日といえば喫茶店の定休日。そして、店長とのドライブデートの日だった。
「 お待たせしましたっ…!」
17:00にアパート近くのコンビニで待ち合わせをしていた。
店長は仕事の時はスーツだが今日は普段は見慣れないラフな服装だった。
「 あれ、ハルちゃん今日はそんな格好なんだ 」
物珍しそうに店長を私の頭からつま先まで舐めるように見る。
今日はキュッとウエストの締まった膝丈のワンピースを着ていたからだろう。私は身長が高くないので(155センチ)綺麗な洋服を着こなす事は難しかったが、高校まで運動部だったから身体は引き締まっていたし人並みより胸は大きい方(Eカップ)だ。
なので、身体のラインの出る服装は好きだった。女の子らしく着こなすことができたから。
「 普段こんな格好しないですもんね…へへっ 」
「 普段からそれでいいと思うけどな 」
照れ笑いしながら店長を見ると、何故か嬉しそうに笑みをこぼしていた。それにつられて、私まで嬉しくなる。
「 さ!店長!いきましょ!お腹ペコペコです!」
「 ん、じゃあ行こうか。僕の車乗って 」
店長は黒いセダン車に近づいて、ピッと鍵を開けた。
「 これが店長の車ですか?」
「 そうだよ。はい、どうぞ 」
そう言って助手席のドアを開け、私に座るように誘導する。ドアマンの様だ。
「 ……おじゃまします 」
乗り慣れないセダン車の助手席に腰を下ろすと、深く腰が沈んだ。リクライニングソファに座るかのようだった。
「 ハルちゃんあんまりこういう車乗ったことない?」
運転席に座りシートベルトを付けながら横目でチラリと私をみて聞かれた。もちろん無い。実家の車はファミリーカーだったので、全くの別物だ。
「 ないです、はじめてです 」
少し緊張しながらも、私もシートベルトを付けた。