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あなたの背中
第3章 人との距離感
「 大切な、従業員だよ 」
再びその言葉に胸がチクリと痛む。"従業員" という言葉に…
「 ……知哉さん 」
「 ん?なに?ハルちゃん 」
「 また、ご飯連れてってください 」
「 もちろん、僕もそのつもりだから 」
「 ……そ、そうだったんですか? 」
また誘う気で居てくれたんだと、一瞬胸の痛みが和らいだ時……
「 ここまで言ってもわからない?」
「 えっ……と… 何がですか?」
「 そうかぁ…わからないか 」
何のことだかさっぱり分からず店長の横顔を見つめる。
店長の視線はただまっすぐ前を向いていた。
「 … もうすぐつくよ 」
その言葉にハッとして周りの景色を確認すると家の近所だった。
再び寂しさが押し寄せてきて、ぎゅっとシートベルトを握った。
「 俺はね 」
店長のいつもの一人称が僕から俺に変わったのに驚き、再び店長の横顔へと視線を移す。
ちょうど、家の近所のコンビニの裏手に車を停めた時だった。
「 ハルちゃんの事が好きだよ 」
エンジンを止めた瞬間、
店長の口から発せられたその言葉に
ゴクリと息を飲んだ ……ーー