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あなたの背中
第2章 2年前の6月
「 おはようございます〜 」
喫茶店に付いた私は裏口から店の休憩室へと入った。
「 お、おはよ。ハルちゃん今日は珍しく遅いね 」
休憩室の椅子に腰掛けていた店長がそう口を開く。
喫茶店の店長の年齢は26歳。とても背が高く本人曰く185センチの大男。けれどかなりほっそりとした体型で肌も白いせいか、弱々しく見える。
「 いつもが早すぎるだけですよ〜 」
苦笑いでそう返すとふっと鼻で笑うかの様に笑みを溢した。
普段はクールで笑顔など見せないのに、この人は何故かよくわからないところで笑顔になる。きっと人と少しズレているのかも。
「 なっ、なんですか?」
「 いや、ハルちゃんにも春がきたかな?と思って 」
ハルちゃんにも春……
頭の中でそう何度も繰り返す。
この人は私をバカにしているのか…?
「 店長… 」
「 なに、ハルちゃん 」
座っていた店長が横目でこちらに視線を向ける。
目つきは少し悪いけど、かっこいい顔してるのに勿体無いな、なんて何度思ったことか。
視線を向けられると少しドキリとしてしまった。
「 寒過ぎますよ。冬かと思いました。」
「 あれ?そう?夏通り越しちゃったかな?」
「 いやホント寒過ぎます。あーやだやだ。」
寒がる様に両腕をさすりながら更衣室へと入る。
更衣室は簡単なカーテンで仕切られている為休憩室の声は丸聞こえだ。
すると店長が再び口を開いた。