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あなたの背中
第2章 2年前の6月
「 ハルちゃん、夏に行くなら海と山、どっち派?」
唐突な質問が投げかけられる。
この人はいつも私に質問攻めだ。それが割と面白く、私の楽しみとなっていた。
「 うーん。 そうですねぇ… 」
「 僕は山派かな。日焼け痛いし。」
「 確かに日焼けは嫌ですねぇ… 」
「 ハルちゃんは色白いからね、でもある程度コンガリした方が健康的なんじゃない?」
「 ふふっ、それを言うなら店長もですよ 」
なんてくだらない会話をしているうちに、喫茶店の制服に着替え終わり更衣室を出る。
「 じゃ、店長、働いてきますね 」
「 ん、よろしくー 」
いつも少しダルそうにしている店長だけれど、営業モードになるとバーテンダーみたいなかっこよさを放つ店長。人は変わるもんだなと感心させられるほどだった。
「 おはようございます、変わりますね 」
この店はさほど大きくないので店番はほぼ一人。店長が休憩室からたまに出てくるぐらいで営業している。
パートさんと交代した私は一人で店番をはじめた。
と、その時見慣れたお客さんが来店した。