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オカシ屋サン
第6章 苺大福①
何の営業かって?
もちろんオカシ屋の営業ですよ。
この温泉街にきたのは本業の"お菓子屋"としてですが、今だけは本業ではなく副業のほうです。
副業のオカシ屋は、好きな時に好きなだけ働ける今どきの勤務体制となっていますから、こんなふうに出先でいきなり営業が始まる時だってあります。
──え?
営業相手が女でも大丈夫なのか、と?
勿論です。《依頼人は男でなければならない》なんて規則はありません。
当然──オカシ屋にも守るべき規則はありますが、臨機応変がモットーな仕事なもので、その規則ですら僕を縛る要因になり得ない。
一、死人は出さない
二、暴力反対
三、警察に捕まらない(なるべく)
四、ターゲットは女性のみ
五、不味いお菓子は作らない
六、えーっと…
七、無駄な出費は抑える……だったかな
たまに忘れてしまうくらい数が多いが、破ったからといって誰に罰せられる訳でもない。
オカシ屋の社員は僕ひとりで、つまり僕が社長。そう──トップ オブ トップ。
3つ目の規則については、まぁ過去に破ってしまった事もありますし。
そうそう、4つ目ね。依頼人の性別は問いませんがあくまでターゲットは女性に限定させて頂いています。
BLが普及したこのご時世に合っていないかもしれないが許してほしい。僕だってチャレンジしましたが、どうしても克服できなかったんだ…。