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オカシ屋サン
第7章 苺大福②
彼女が僕を じとり と睨む。
卑怯な者を前にした目だ。罵倒したくて仕方がないが、それができずに睨みつけている。
僕にドMの素質があったなら…この視線だけで勃起すること間違いなし。
「わたしあなたのこと……嫌いだわ、桐人さん。信じられないくらい図太い人ですね」
加えて、ドMをさらに興奮させるであろう煽り文句付き。
やれやれ僕は本気で嫌われたらしい。
「──…でもあなたのお菓子は、食べてみたい」
「……」
「納得できないけど払ってあげる。自信満々みたいだし?美味しくなかったら訴えますから」
「…承知しました」
幸野さんは小さなガマ口のバッグを取ると、中に入った財布をしぶしぶとだが取り出した。
折りたたまれた紙幣をのぞかせ、そこから一枚、二枚、三枚……。
無言で差し出す。
僕が自分から取ろうとしないので、下ろした右腕に押し付けられた。
「ほら…っ」
ガララッ!
「──!」