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オカシ屋サン
第7章 苺大福②

「んふぅ…ッ‥ぅ‥」

突然の口付けに戸惑いうめく声。

喉の奥にその声は留まり、絡め取られた彼女の舌は言葉を話せられない。

さらに緩急をつけた僕の舌戯に慣れるスキがあるわけもなく──呼吸さえも難しそうだ。

「…ハ、‥ハッ‥‥」

「…っ…では、どうぞ」

そんな余裕のなくなった口の中へ、すかさずお菓子を放り込む。

客室に置きっぱなしになんてしていません。漆塗の箱ごと忘れず持ってきましたから。

小ぶりなイチゴ大福を彼女に頬張らせ、吐き出してしまわないよう人差し指を唇にあてがった。

「そのまま呑み込めば喉を詰まらせて死にますよ。ゆっくり……そう……ゆっくり噛んで」

「…!?‥‥っ」

「噛んだらほら……中で苺が弾けたでしょう?酸味が爽やかな苺です。でも果汁は少なめですから餡(アン)の甘みを薄めませんよ」

いまだ涙目の彼女は、訳もわからず言われるままにお菓子を食べ始めた。

貴女を犯す

その意味を理解する時間なんてなかったでしょうね。

「美味しいですか?」

「…‥ん‥‥ん……!!」

脅迫めいた声色で問い掛ければ、コクコクと従順に頷く。

イイ子ですね

僕はとびきり優しい笑顔を浮かべて彼女の頭を撫でた。

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