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オカシ屋サン
第2章 ホワイトチョコドーム①
と、いけない。僕としたことが女性の外見に対して相応しくない形容を…。
田舎くさいというのは間違えで、…そうですね、素朴で可愛らしいとでも言いましょうか。
では、改めて挨拶から。
「クス……また驚かせてしまいましたね、すみません。僕は桐人(キリト)と言います」
「桐人…さん…?」
「君は佳代子さんですね」
「……!」
僕のような不審者に "さん" を付けるとは礼儀正しい子だ。
でもさすがに僕が名前を言い当てたことには疑問を持ったみたいで、彼女の顔色が変わった。
「もしかしてあなたは…っ」
「──…」
「あなたは…──ここの教授なんですか?」
「ん? あ、そう…かな。…まだ助教授ですが」
「やっぱり! 生徒の名前を覚えているなんて素晴らしい記憶力です」
「…………あれ」
あれ、ちょっと天然なのかな。
僕を怪しむどころか、何故か勝手に納得して…勝手に安心している。
想定外の反応だ。