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オカシ屋サン
第2章 ホワイトチョコドーム①
僕はテーブルに置かれたポットを傾ける。
するとできたての珈琲がコポコポと湯気とともに出てきたので、二人分をカップに注いだ。
誰がいつの間に淹れていたのだろうかと…そんなことを悩むのはまるっきり時間の無駄ですよ。
僕がそう言い切りましょう。
もっとも、僕からカップを受け取った彼女は、別のことに思いを巡らせているようですが──。
「どうして桐人(キリト)先生が開店前のカフェに入れるのかもわかりませんが……それより、なにより、先生の狙いがわかりません……」
「僕の狙い、ですか」
「…だって…// さっき、が、学校で」
「キスのことですか?」
「……っ」
洗練された店のインテリアに馴染まない "もさい" 服装の彼女は、タートルのニットに顔が埋まりそうなくらい首を引っ込めている。そう、亀みたいに。
恥ずかしいからなのか…ここに連れてきてからまともに顔を見せてくれない。