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オカシ屋サン
第2章 ホワイトチョコドーム①

「お菓子を選ぶ…!?」

「そうです」

──そしてたった今、僕は選び終えました。

「少し待っていてください」

僕は席を立った。

そしてカウンターの内側に入り、棚から取った食器を手にガラスショーケースを開けた。

小さなショーケースから冷たい空気が流れ出る。

中に置かれているのはたった五つの美しいケーキたちだ。

“ あの子には…これですかね ”

ひとつを丁寧に皿に移して仕上げのデコレーションをほどこすと

完成した芸術品を手に、僕は彼女の待つ席に戻った。


カチャ....


「どうぞ召し上がれ、佳代子さん。
《 ホワイトチョコドーム 》で御座います」


…テーブルに置いた食器の上

歪みのない球体のチョコレートが、純白の水晶さながらの光沢をまとい美しく輝く。


さぁそのまま息を呑んで。

この芸術の美しさに圧倒されて、呼吸を忘れてしまえばいい──。



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