この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
オカシ屋サン
第2章 ホワイトチョコドーム①
「お菓子を選ぶ…!?」
「そうです」
──そしてたった今、僕は選び終えました。
「少し待っていてください」
僕は席を立った。
そしてカウンターの内側に入り、棚から取った食器を手にガラスショーケースを開けた。
小さなショーケースから冷たい空気が流れ出る。
中に置かれているのはたった五つの美しいケーキたちだ。
“ あの子には…これですかね ”
ひとつを丁寧に皿に移して仕上げのデコレーションをほどこすと
完成した芸術品を手に、僕は彼女の待つ席に戻った。
カチャ....
「どうぞ召し上がれ、佳代子さん。
《 ホワイトチョコドーム 》で御座います」
…テーブルに置いた食器の上
歪みのない球体のチョコレートが、純白の水晶さながらの光沢をまとい美しく輝く。
さぁそのまま息を呑んで。
この芸術の美しさに圧倒されて、呼吸を忘れてしまえばいい──。