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オカシ屋サン
第3章 ホワイトチョコドーム②
早朝のお店に、本日最初のお客さまがご来店。
…おや、貴方は、確か
「二十日が過ぎた。…っ…できたのか?」
「ご注文のお客様ですね。お待ちしておりました」
上物のスーツに身を包むお客様は、ちょうど大学へ出勤前といったところでしょうか。
このお菓子屋は夕方には閉めてしまうので、勤務後に立ち寄っても間に合わないのでしょう。
朝の受け取りはあまりお勧めしないのですが…仕方がない。
僕は棚の整理を止め、カウンターの裏に回りこんでそこに収めた桐箱を手に取った。
「こちらがご注文のお菓子です」
「……」
「代金は既にちょうだいしておりますので…どうぞ、お受け取り下さい」
注文を受けた時の箱は二十センチ四方だったが、これは五センチ四方の小さな桐箱。
僕が両手で差し出すと
片手におさまるその箱を、お客様は恐る恐る上からわし掴んだ。