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オカシ屋サン
第4章 バスク風チーズケイク①
普段からケーキ屋なんて縁(エン)が無い俺は、店員がいないのをいい事に店内を物色する。
「お…っ」
すると店の隅に、四角い木の箱が落ちているのを発見した。
見ると陳列棚のコーナーに、同じ箱が重ねられている。そこから落ちたらしい。
ついでだ。元に戻しといてやろう。
俺は一旦ダンボールをレジのカウンターに置いて、その木箱を拾った。
“ これ、何の箱なんだ? ”
飾り物にしてはシンプルすぎる木箱。
はは〜ん。なるほど。
クッキーとかをこの箱に詰めて贈ったりするんだろ?
確かに紙の箱に入ってるより高価に見えるわな。
いいセンスしてんじゃん。この店。
“ つっても俺にクッキー贈る相手なんかいねぇけどよ……はぁ ”
「いらっしゃいませ」
「……ッッ」
「そちらをお買い求めですか?」
「えっ、え、……いや」