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オカシ屋サン
第4章 バスク風チーズケイク①

数日前の事だ。

急に俺はあの女に拒絶された。

理由も教えられず、もう話しかけるなと一方的に告げられた。もう、俺の事が嫌いだからと。

俺達の関係が旦那にバレたのかと聞いたら、そうじゃないと言う。

『 納得できません!急にどうしたんですか!? 』

『 もう話す事はありません 』

『 待って下さい!俺…っ…あなたと結婚したいんです!本気なんです!旦那さんとはもう冷めてるんでしょ?そりゃあ俺なんか稼ぎそんな良い方じゃないけどっ……あなたに寂しい思いはさせませんから! 』

『 …っ 』

『 俺……あなたが好きなんです 』

『 私は…… 』

『 だから旦那さんと別れて、俺と…っ 』

『 私はっ…そんなつもり無かったので…… 』

『 え…? 』



最後は「これ以上騒ぎ立てるなら警察を呼びます」と…その言葉を残してドアを閉められた。

それが最後の言葉だ。

信じらんねぇ。

俺を夢中にさせといて…あからさまに誘っておいて、そんなつもり無かった、だと?

ふざけてやがる。

だが警察ってワードを出されたら、俺は手も足も出せなかった。だって向こうは既婚者で、俺は不倫相手。

で、その次の日から、俺の担当地区は変えられてた。

あの女が俺の職場に連絡したんだろう。いったい何て言って変えさせたのかは知らねぇけど……もう、そんなのどーでもいい。

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