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オカシ屋サン
第4章 バスク風チーズケイク①
「復讐なんてくだらない上に退屈です。そういったご要件でしたら復讐屋を割引価格でご紹介しますが?」
「ご、ご紹介?」
「裏稼業どうしの繋がりがありますからね」
「あんたは何もやらないって事か?」
「ですから、復讐は僕の仕事ではないのです」
「へー…」
落ち着いた口調のせいか、こいつの話し方は俺の神経を逆なでした。
そーかよ
あんたも俺を馬鹿にしてるのかよ。
“ オカシ屋の噂も、やっぱりガセだったんだ ”
あり得ない噂を信じた俺も悪いけど、こいつは相当、タチが悪いな。
今が仕事中だって事がすっかり頭から抜け落ちてる俺は、のこのこと引き下がる前にこいつに爪痕を残したくて堪らなくなってた。
「ハ……ハハ。結局ここはただの寂れたケーキ屋で、あんたは何もできねぇただのパティシエって事か」
「……」
「"裏稼業"だの"復讐はしない"だのカッコつけてるだけで、ぜんぶ嘘なんだろ?」
わざと挑発的な言葉で煽る。
俺自身けっこう惨め(ミジメ)だけど、かまうもんか。
「言い逃れもしねーのか?」
「訂正箇所はいくらかあります……が、まず、ここは寂れたケーキ屋ではなく寂れた " お菓子屋 " 。お間違いなきようお願いします」
「は?そんなのどっちだって…──」
「──…それと」
·····ッ!!