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オカシ屋サン
第6章 苺大福①
ここは日本有数の温泉街。
今の僕は京から遠く──はるばる群馬に来ています。
有名な石段街の途中で、昨夜買っておいた温泉饅頭を口にほうりこむ。
ひとつが小さな厚皮の饅頭。ふわふわの皮には仄かな甘みがあり、いっぽう中の餡(アン)は甘さ控えめだ。
素朴だが良い味だ。
ひねりは無いが、飽きがこない。
「やはり……パクパク
趣きだの風情だのを気にするより、こうして美味しいお菓子を食べる時間のほうがよほど生産的だ」
あっという間に3つをたいらげた。