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やめられない牛丼屋
第1章 第1章
「制服の採寸をするので事務所に来てください。」



と僕はロナをお店の二階にある事務所に案内した。汚い階段を上りながらロナは鼻歌を歌っていた。でも曲はわからなかった。カンボジアの歌なのだろうか。六畳ほどの窓のない事務所には、入って左手に背の高い棚があり、圧迫感を与えてくる。部屋の中央には薄暗い蛍光灯に照らされたパイプ椅子が二脚と茶色い会議机がひっそりと待ち構えていた。





ロナにパイプ椅子に座るよう促した。二人で密室なので、少し緊張する。場を和ませるためにロナとたわいもない話をした。





何でもロナはカンボジアからの留学生で、父がカンボジア、母が日本人らしく、美人の母に似て端正な顔立ちだった。体つきはカンボジア譲りのようで、小麦色の肌に引き締まったウエスト、張ち切れそうな乳丘をしていた。





「制服のサイズはいくつ?」





「サイズ? あーミディアムです。」





とロナは答えた。ロナの身長は160cmくらいだったので女性ならMサイズになるだろう。満月のような豊穣なヒップを考えるとLでも良いかもしれない。僕は棚にしまった制服をガサゴソと探したが、お目当のMが見つからない。
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