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シミュレーション仮説
第3章 夫への愛を失くした女
「どうしたの?」
「いや…」
 
 いつものように恵子の体を激しく責める篤志が不意にその動きを止めた。

 恵子は上半身を起こす。篤志の体は余計な脂肪がなく筋肉質で逞しい。特に体を鍛えているわけでもないのになぜこんなに強い体を持っているのか。食べ過ぎるとすぐ体に現れてしまう恵子にとってはずっと不思議に思っていたことだった。
 そしてその体に見劣りせず篤志の肉棒もまた、並の男では勝負にならないほど逞しい。
 四十代も半ばを迎えたがいまだに硬さも熱さも若者には引けを取らないし、何よりもサイズが並外れていた。

 性欲とサイズは比例するものなのかしら。

 ややげんなりした目で恵子の目がそこに向けられ、そしてそのまま固まった。篤志は絶望的な顔で立ちすくんでいる。

 篤志の男性器はうなだれて下を向いたままだった。

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