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終わりの向こう側
第6章 卍(まんじ)
妻と私は車に乗って私の行きつけの
散髪屋さんに向かいます。

車中では一切無言の二人でした。

車から降りてドアを開けて店に入りました。

二人の男性客が散髪されていましたが
時間待ちのお客はいませんでした。

店主「どうぞ、こちらへ」

私「いや、俺じゃないんだ。こいつだ」

背中を押して店主の前に押し出しました。

店主「では、ここにお掛け下さい」

緊張のあまり妻の顔は引き吊っていました。

恐る恐る理髪チェアーに座ると 

店主「今日はどうされますか?」

私「剃ってやってくれ」

妻の顔が真っ青になっていました。

店主「はい、承知しました」
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