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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第7章 記念すべき四月
よく見ていたアメリカの連続ドラマみたいな話だな、と思った。
確かに帝国を通して色々な世界を知れたからこそ、人身売買って本当に有るだろうな。とも思ってた。
だけど──そんな、人体を解剖して売り飛ばす様な真似は、映画の中だけだと信じたかったのに。
まるで昔に本で見た三重県の『売春島』の事実を知った時みたいだ。
"そんな事って……有るの?"と、何度も何度も思う感覚。
「テテとアイに関しては大丈夫だろ」
「テヒョンっ、何でそんなこと言い切れんのよ。」
あくまでも冷静な、隣の旦那さんは私の手を離すと、オンマに軽く頭を下げてから、タバコに火をつけた。
それを見たお手伝いさんが急いで灰皿を彼の前に置く。
「その事件、俺はなにも知らねえから偉そうに言えないけど。」
「多分、日本のマフィアの犯行でも韓国のマフィアの犯行でもないと思う」
「どうしてそう思うの。」
「人身売買は畑違いなんだよ、そりゃあ女を売り飛ばすとか借金返さねえやつをどうにかするってのは、韓国のマフィアも日本のマフィアもしてると思う」
「だけど臓器摘出して売り飛ばすってのは前例が無かった……と思うんだよな。」
「何でアンタ、そんな事しってるの?」
「俺は帝国の会長だぜ。そりゃあ、直接的な関わりはなくても裏から韓国経済動かしてるそれなりにデカイマフィアの動向は知ってるよ。」