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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第7章 記念すべき四月
「誘拐に関しては、可能性が高くなったから……きっと今ごろボディーガード死ぬほど雇って学校までの道中も家の中も外も、もっと言うなら教室にも校庭にも死ぬほど、怖い顔した男を雇ってるだろうけどな」
「……っ、そういうことっ」
ゆっくりと教えられた彼の考えは確かに筋が通ってる。男の方がこういう時は冷静なんだろうか。
「そういう事やから、テテとアイに関しては安心して。今、韓国に連れて帰ってくる方が、危ないかもしれないやろう。」
「……そうやね。」
「だけど、まあ不思議な事件やわ。こんなに気味悪くて胸くそ悪いのに、まるで圧力で止められてるみたいやん、報道規制みたいなさ。」
「帝国はそんな事してない。だから、してるとしたら──帝国以上のグループってことやろう?」
「オンマ、帝国以上のグループなんてロスチャイルド位ですよ。三井も三菱も麻生も帝国より、今は力を持っていない。」
「だけどロスチャイルドが圧力かけるはずなんて無えしな、関係ない国のこんな事件に……。」
「気持ち悪いわ。」
「大丈夫か?」
「テテとアイに関しては──とりあえず安心やけど。でも、オンマの言う通りわたしも胸くそ悪いと思う。」
「何で……韓国人と日本人を狙ってるんやろうって。自国の恵まれてない子とか沢山ターゲットは居るはずやのに」
「そこだよな、さすがの俺もそこまで分からねえんだよ。」
刻々と時計の針が進む音のみが聞こえる。今日の夕食は、美味しいとか不味いとかそういう味すら感じれそうにない。
せっかくエッチできるかな、今日は。とも思ったけど──もちろん、そういう気分にもならないだろう。