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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第2章 新たな企み

韓国に来て、こいつの女になった時からアメックスのチタンカード……そう、限られた人物しか持てないと言われるセンチュリオンカードで支払いをする事が多かった。


でも、時は過ぎ夫婦になり──


こういった『現金のみ』の場所にも堂々と二人で顔を出すことが出来る。

特にテテとアイが生まれてからは、こういう場所によく来るし地下街で買い物もするから、常に財布に現金を入れておくようになったのだ。

カムサムニダと、やる気のない挨拶を背中で聞きながらドアを開けて待ってくれていたセンチュリーに乗り込む。


さすがのセンチュリー。

数人の野次馬が、誰が現れるのか?と店前で待ち構えていたのだろう。私たちが外に出た瞬間、高い声がカンナムの空に響いた。


私の背中を軽く押す彼は、きっとこの場を早く出たいに違いない。たまーにこういう事になるんだよね。

子ども達が居る時は見て見ぬ振りをしてくれるけど、夫婦二人だとそうはならないみたいだった。


運転手さんは私たちの一方が口を開く前に、一度だけクラクションを鳴らすと素早く大通りに出た。

帰り際、手を降った時の顔が窓ガラスに映ったけど……心なしか彼の言葉を聞いて、私の表情はここ数週間で一番スッキリとしているかもしれない。


「全然話変わるけどよ」

「ん?」


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