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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第8章 近寄る魔の手
「あー俺も電話きたわ」
輪の中に戻った途端、今度はジュンが面倒臭そうにして少し離れた場所へと移動する。
「……ヒョン、何て?」
「今から来るって。──はあ、考えただけでため息出そう。こんな時にアイツが来たら絶対に面倒臭いことになるのに……。」
仕事を放ったからして、嫁に会いにきた帝国グループ会長。とか書かれても今の状況なら可笑しくないよな。
私についてかかれるのも大分とダメージがあるけど、私が大事にしている人やグループについてかかれるのが、心には重くのしかかる。
「まっ、しょうがないといえばしょうがない。俺がヒョンでも飛んでくると思う」
「……そうだけどさ。」
窓から下を見ると、たまたま見つけたであろう大きなカメラが私の顔を捉えそうになった為、急いで顔を引っ込めた。
「何してんだよ。」
「別に。……ってかイルトさ。」
「何?」
「今回の騒動、起こるの知ってたわけじゃないよね?」
「はあ?何で俺が知ってるんだよ」
「いや──っ、あまりにも冷静だったから。あんたら全員が。」
思い返して見ると、ふと疑問に思った点が"それ"だったのだ。