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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第8章 近寄る魔の手

「……インターポールぅ?!」

くらっと倒れかけた私の腰を掴むと、間抜けな顔してる他の人達を一度だけじっくりと見回すやっぱりぶっ飛んでいる私の旦那さん。


「あのっ、失礼ですがインターポールとは何かご存知な上でその様なことを仰っているのでしょうか?」

『ぜっ……銭形警部のっ……』

咄嗟に出た日本語は、どうやらテヒョンにも目の前のエリート警官にも分からないらしい。

何言ってんだ?という顔を二人から同時にされて、思わず手で口を塞ぐ。


「勿論です、ICPOですよね。」

「まあ逮捕権は無いので、犯人が見つかっても実際に逮捕するのは韓国警察になりますけど」


「いやっ──そうではありません。えっと……そうですね。非常に言いにくいんですけども」

必死に言葉を選んでいるのだろう。

テヒョンに喧嘩を売るのは帝国に喧嘩を売るのと同じ行為になってしまう。

そうなればこの人のエリート出世街道が終わる事も目に見えてるんだからね、言葉を選らんで当たり前だとも思った。


「確かに韓国での爆発騒ぎというのは、近年稀に見る犯行では有りますし、このご時世国際犯罪やテロを疑うのは不思議ではありません。」

「むしろテヒョンさんの場合は奥さまとご自身が所属している会社が被害に遭われたのですし──。」


「ですが、これは韓国国内の事件であり国際犯罪の可能性は極めて低いと思うのです、そこにインターポールが介入するとなれば……。」


「そうよ、テヒョン。これって韓国国内で起こった爆発事件なのよ、死者も居ないの。」

「"大韓民国警察"の"捜査局"が来るのは理解できる。」


「でも、そこにインターポールって一体、テヒョン。あんた何を仕掛けたの?」


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