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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第8章 近寄る魔の手
肩を上から押され、どさっと私の体重が椅子に乗しかかった。
「何飲む。」
自販機の前で、そんな事を言った彼だけど答えを聞くつもりはなさそうだ。
『どうせこれだろ。』と言う様に、ミルクティーをプッシュすると、一緒になって何年も経つと言うのに蓋を緩めてから渡してくれる。
「ねえ、あの事件って……」
「それが話したかった。」
テヒョンはブラックコーヒー。
暖かいのを買ったのかな、缶を両手で持つ仕草がまるで子供の様で、どこか話の内容との不一致を覚える。
「……あれから気になってな、夜中起きてヒョンに連絡いれたんだよ。じゃあ会社着いて直ぐにアボジとヒョンの両方から電話が来た。」
「アボジの見解は俺と全く一緒ってワケだ。テテとアイに関しては、まあ流石の帝国らしい護衛だから心配ないってことになった。」
「アボジは、どんな反応なの。この事件を知って……。」
「それがよ、本当に不思議だったわ」
「不思議?どういう意味なの。」