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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第8章 近寄る魔の手

「ああ、それは知ってる。勿論、日本時代も関わりなんてないからどういう組織なのかは知らないけど」


「俗に言う『半グレ』だわな。国に反社会的組織……つまりヤクザとかマフィアとかそういう風に認識はされていない。でもしてる事は地上げやら違法な仕事やら、そんなに変わらないってワケだよ」

「へえ。ハンソン兄弟とソレが何か関係有るってこと?」

「いや、関係は無いと思う。ただそいつら兄弟もそういうタイプらしい。」

「──つまり、半グレ?」


「そうだ。マフィアとしてデカイグループを持って協賛のフロント会社や組織と兄弟間の盃を交わす様な古い体質のヤツ達じゃない」

「……だから、そういうヤクザや韓国マフィアでもしない『児童臓器の売買』なんて事にも安易に手を出す」

今すぐにでも、ハンソン兄弟についてグーグルで検索をかけたい気分だけど……目の前のテヒョンの目を見てそれを止めた。

新しいビジネス案を思いついた時と同じ瞳をしてる。

──目標に向かって逆算がしっかりと地に足ついた時の瞳だ。



彼がこの目で話し出す時は、私がグーグルで調べたり何か意見をする時じゃない。……それ以上の知識も選択肢も彼の中で既に用意されているときなんだから。


「ハンソン兄弟ってのはな、実の兄弟なんだ。ヒョンが持ってきた韓国警察に保管されている資料によると、兄貴は地上げとか不動産関係の詐欺でボロ儲けをしている」

「まあ頭脳派って言った方が分かり易いかもしれねえ。──弟は、それとは逆に大麻や覚せい剤の販売と製造だ。」


「人身売買は、兄弟でやってるっぽいな。勿論、ボディーガードや手下も数人いるから完璧な二人だけの兄弟マフィアじゃねえけど、それでも人数なんてたかが知れてて20人くらいだっていう見立てらしい」

「……それでインターポールを?」

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