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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第8章 近寄る魔の手
「日本と韓国だけじゃなく、どうもロシアの孤児をアメリカの変態サイコパスに養子縁組させて売り飛ばしたりもしてるらしいんだよ」
「だけど人数が少ないがゆえに結束が固い。」
「足がつかないって事ね」
「やるじゃん、その通り。アイツ達が噛んでる事はロシア連邦警察も韓国警察も日本警察も全員暗黙の了解として捜査はしている」
「だけど──まあ、そこに中国の圧力も有れば、アイツ達の足がつかねえ犯行の仕方も重なって本拠地すら何も分かってねえらしい。韓国で弟の目撃証言が幾つか有るから、韓国に居るんじゃねえか、ってアボジとヒョンは言ってたけどな」
「……日本では無いと思う。まだ日本は何を言ってもヤクザが繁華街とかを見てる国だもん。そのヤクザも、何千人と構成員の居る"ジャパニーズ・ヤクザ"そのモノの有り方よ」
「だから、そんな途中から出てきて覚せい剤や人身売買で名を挙げて金を掴んだ様な兄弟が犯罪の本マルに日本を選ぶ事は──無いと思う」
「ああ、それは俺もリサの意見に賛成してる。中国と韓国を行き来してると考えた方が良いだろうな」
「インターポールは?」
「インターポールは親父の圧力だ。じゃねえとロシアと日本と韓国っつー接点のない国同士があんな機関入るからって言っても捜査協力しねえだろ」
「そうね」
「帝国が裏からインターポールとロシアの警察に金を渡す事になってる」
「………。」
「つまり捜査の拠点は、ここ韓国だ」
「──こんな小さな国に、大国ロシア・日本のエリート警察が捜査協力しに来て、挙句の果てにはフランスからも世界のICPOが来るワケだ」
「そりゃあ大変な事になるのは目に見えてるだろ。圧力掛けたのは帝国なんだから俺もアボジもヒョンも動かないです。仕事します。とは言えねえしな」
「──それでも良いの」
「ああ、俺もこんな胸糞悪いと思った事件は生まれて初めてだ。」
「たかが数億の金で国際関係をこじらせる原因にもなりかねない行動をしてる『ハンソン兄弟』ぶっ潰せるなら安いモンだろ」