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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第2章 新たな企み

「初めはお前の庶民派な行動さえも好かれるための仮面だ、なんて言ってたのにさ」
「お前がアボジに愛を持って接して……俺の知らない所で二人で外野席で野球見たり、安いビール片手に応援してみたり」
「テテとアイを連れて映画を見に行って、そこでカードのポイント使って安くで見たりとかさ」
「なんつーんだろ、お前と俺二人の行動じゃなくて、そこにアボジとか子供たちとか第三者の愛が有ったからこそ『ウソ偽り』じゃないって認められて、ここまで好かれるグループになれたのかなって思うんだよ」
「確かに、そうかもね」
「だろ?アボジもお前への愛が有ったから、普段なら有り得ねえのに一般席で野球見て球場の飯食ったりさ、テテとアイも財閥の子らしくない行動っつーの?例えば、どうせ汚れるんだからって理由で300円で買った揃いのパーカー着させて幼稚園行かせたりさ」
「そこにはお前の『子供は子供らしく汚れてきても良いから元気に遊びなさい』っていう母として子への愛情があって」
「本当に世論を変えるのは『愛』なんだなって思ったよ。」
「……兄貴があんな事件を起こしてから、ロッテが抜きあげるか?って思ったけど俺の手腕とお前やアボジの行動があって、あいつらは所詮一回だけの天下だった」
「やっぱり──帝国は天下の帝国なんだろうな」
「ははっ、そうかもね」
「数有る財閥は色々とキャッチコピーみたいなのを付けられたりするんだよ。例えば皮肉じみてるけどアートは『"生まれ"の財閥』だ」
「俺達は『愛と結束の帝国』って言われてる。」

