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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第9章 見た事のない世界
「へっ、た…大麻っすか?」
「そう。男も女もラリってて、まるで金や地位が有れば好きに行動できる様なクラブ。」
「──行くんすか?ヌナが」
「なワケないでしょ。今回のFBKの新曲聞いた?雰囲気がそういう感じなのよ、だから口コミとか調べてもっとリアルに近付けれたら彼達の感受性も豊かになるかなって」
「ああ、確かにFBKのデビューシングルって大麻とか入ってましたよね。衝撃的だったから覚えてますもん」
「そうそう、そういう事。」
「俺達は薬とか分からないんですけど、噂だけの話ならアックジョンにある『VERMIN』っていうクラブ、ヤバイらしいですけどね」
「バーミン?」
口を開いたのは、KBLOCKで一番女癖が悪いとされている子だった。二枚目キャラで、確かに女の子からモテそうな感じが出ている。
「アックジョンの三ツ星レストラン・草山、知ってますか?」
「草山、テヒョンと行った事ある」
「あの横のビルの地下にあるんです。それこそヌナが揉めたアート財閥の長男とか一時期で入りしてたらしいですよ」
「へえ、他に何かバーミンについて情報分かる?」
「他……ああ、女に関しては有名所でホームページにも有る様な所より"水がいい"って言われてますね。まあラリってますから、見た目だけの話だと思いますけど」
「ふうん。男はどうなの」
「ヌナ……マジで行かないっすよね?俺、ヌナが行くってんならヒョンに言います「行かないってば!ただ聞きたいだけなの」
「分かるでしょ?知らない世界を知ってこそ歌とかダンスとか演出って垢ぬけたりするのよ。例えそれが人から聞いた話でも、何も知らないのとでは全然違うからね」
「……。男は、ヌナの想像通り何して稼いでるか分からないヤツばっかですよ。でもまあ、あれだけの女が毎日バーミンに行ってる所を見る限り」