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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第10章 子育てはエゴイズム
「なんで、そんな事したの。」
「──。」
「私がクラブに普通に遊びに行ってたかもしれない。それでも貴方はああやって沢山の男とお父さんを連れて、乗り込んできたの?」
「……あの時のヌナの一言に俺達は引っ掛かったんだ。」
「ハンソン兄弟のこと……?」
「──はあ、これは今言うべきじゃねえと思ったけど。ここまで来たら言わないと辻褄合わないしな」
「……正直、ヌナの観察力には驚いた。あの日、BNの目の前で爆破事件が起きた時。……俺達は、各自の親父から聞いてたんだ、そういう可能性が充分に有るから注意しろ、と。」
「覚えてるか?」
「ハンソン兄弟が、日本と韓国で子供を誘拐して殺して皮膚細胞や肝臓といった金になるもの全てを取り出し、臓器売買してた事件が起こった時とほぼ同時期に……」
「俺らの携帯に頻繁に親父から連絡が入る様になったの。」
思い出すのは、まず撮影の時だった。
普段は携帯の電話が鳴っても、かけ直すとか切るとかあまりに酷いことをしていた彼達全員が、確かに言われた通り……席をはずして電話口の相手と話し込むことが増えていたのだ。
「俺達五人と、その親父五人が食事をしたってのはヌナが思ってたほど甘い話じゃない。」
「……ハンソン兄弟の狙いが『神宮会』で有ると分かったからなんだよ。」
「──えっ?」
「まあ正確に言うと韓国の神宮会・日本の山口組、この二つだ。」
「そっ、そんなん「わかる、理解出来ないんだろ。」
「うん。──私、ハンソン兄弟はマフィア組織ではなく半グレの様な人達だと聞いた。」
「なんでそんな人達が、日本と韓国の二代巨砲である組織に喧嘩を売る必要があるの?」
「二代巨砲だから、だ。」
「はあ。ここで俺が必死に話すよりも、まずはヌナをメンバーに会わせて無事をあいつらの目で確認させることが、先だろうな。」
「──まあ、覚悟しとけや。ジェジュン筆頭に怒られるの、ヌナが一番分かってんだろ?」