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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第10章 子育てはエゴイズム

「ああ、手の焼けるヌナの登場だよ」

「ジュン、あのねえっ「言い訳はいいから。で、何飲む?アサヒかな。」

「お酒はさすがに……テヒョンに怒られそうだから、ここは大人しく烏龍茶かミルクティーにしとく。」

「最近ちょっと太ってきてるからミルクティーにしとけば?」

嫌味のつもりはないんだろう、ジェジュンが私の心に響く言葉をポーカーフェイスで言いながらグラスの中に烏龍茶をついでくれる。

「俺達に怒られる覚悟はできてるけど、やっぱりヒョンに怒られるのは嫌ってことね。」

「そりゃあね。」

帰ってこいと言われた門限を無視して、運転手さんに話を合わせてもらっている身なのだ。

『泣きわめいているティーを介護している私達二人をティーのマンションに送った』と──。

さすがのテヒョンも、いくら帰ってこいとこっぴどく私に言ってたとしても持ち帰った相手が普段は泣かない強い妹であるティーだと知れば、何も言わないに決まってる。

そりゃ嫌味のひとつは言うかもしれないけど、それでも彼すらも存分に可愛がっている子なのに。

私が速攻でティーにラインをいれて、話を合わせる様に!お駄賃はアックジョンに出来たパンケーキ!と言ったのは私と運転手さんしか知らない。

「確かに言われてみればリサヌナ、太った?」

「なっ……!そりゃあね、デビュー前でバタバタになってるのよ!不規則な時間にご飯食べたり付き合いで飲んだり色々してるんだからお腹くらい空きます!!」

子供の様に言い返した私を、バカを見るような瞳で見つめてくる五人。

誰もリビングに居ない所を見るとイルトのお父さん達は、別の部屋に居るんだろうか?


辺りを見渡した私を目で追ったリーダーは、静かに話始めた。

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