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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第10章 子育てはエゴイズム

「大体わかると思うけど」

「……。」


「俺が神宮会のトップの息子だ、さっき言った通りな。で、俺と一番付き合いの長いジェジュンが『神宮会の財布』と言われてるほどの組──まあ日本風に言うと『金儲けのうまいインテリマフィア』である二次組織"新家"のトップの一人息子」

「新家……。じゃあ新家会ってこと?」

「ウチは特殊だから『会』とか『組』がなくて『しんけ』という一つの組織。一応、神宮会の直参組織だからマフィアの構成図で言うとナンバーツーになる」

「へえ。」


「アリーはロシアにある"ウラジーミルファミリー"っつー、ロシア一のマフィアグループののトップの息子。神宮会とウラジーミルファミリーは協賛組織なんだ」

「……なるほどね、これであの時の説明に納得出来た。」


「──で、ジュンは新家と協賛してる山口組のナンバーワンの孫」

「山口組!?」

ニュースでよく聞くヤクザ組織だ。

私の様な裏組織と関わりのない人物でさえ知っている。

「じゃあジュンのおじいさんって──「……そう、日本人だよ」

「でも、俺のじいちゃんは俺に迷惑が掛からない様におばあちゃんが妊娠したって分かった時に、すぐに籍を抜いてる。で、そのままばあちゃんは韓国に戻ってきて俺を産んでオンマを育てあげたから」

「じゃあ──あの"ヒロミさん"の孫ってこと?」


「そう、大事な一人娘の大事な一人の筆頭孫」


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