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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第10章 子育てはエゴイズム
「……アンタに日本の血が入ってるなんて夢にも思わなかった……。」
「まあじいちゃんも日本国籍なだけで、在日朝鮮人だしな。身内との会話は全部未だに韓国語だからね。俺も日本の訛りとか出ないし。だけど名前が日本っぽいとも取れるじゃん?」
「そうね。」
「そういう事なんだよ。」
「──ミンホは「俺は神宮会と協賛組んでる"チグウ会"の子供」
「チグウ会?」
「難しいけど、神宮会の直参組織じゃなくて手組んで大事な時は助け合いましょう。お互いの資産や人員には手を出さない様にしましょうって決めてる組織ってこと」
「じゃあチグウ会の上司は?」
「チグウ会はチグウ会だ。上司は居ない。親友が神宮会、と思えばヌナも理解できるんじゃないの」
「──確かに。じゃあそんなジェジュンの上司は神宮会になるワケだ。だって、アンタの家は"二次組織"のマフィアだもんね」
「うん。でもまあ一つ言えるのは協賛であれ弟分の組織であれ、繋げた先に有るのは財閥も牛耳ってるなんて言われてる『神宮会』なんだよ」
「……アンタ達の親は大丈夫なの?大事な一人息子同士が、そういう関係の元で育ちながら仲良く同じグループで芸能活動するって……。」
「そこは心配いらねえんだよな、俺達はあくまで『仲間』であって『敵』じゃねえから。そりゃ親父同士、腹の底で何を思ってるのかは知らない」
「でも、みんな親の意見を含んでイルトと同じ幼稚園に転校してきたやつばっかだ。一緒に飯食ってる時も各自が各自に尊敬を持ちながら敬意を持ちながら──話しをしてる」
「……。」
「直参とか協賛とか組のデカさとか、そういうのであーだこーだ言うのは決まって外野だからな。俺達当人からしてみれば、皆が皆『反社会的な組織は潰してしまおう』っていう運動が盛んな今、こうやって子供らに贅沢させれてるワケだ」
「そりゃあ言い方を変えれば『成功』してるってことだろ。」
「成功してるやつは、成功してるやつを妬まねえからな。皆、それぞれ努力をして今が有る。って事を充分に理解してる。それぞれの得意分野が有ることも」