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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第10章 子育てはエゴイズム
「……」
「だから権力が必要な時は神宮会を使うし、金儲けの知恵が必要な時は新家を使う」
「そういう風に各自の得意分野に敬意を示しながら俺達のアボジは協賛組織のトップ同士としてうまい事やっていけてるんだ」
「──まあ、そんな感じだから俺達もこうやって仲良しなんだろうけどな」
「……財閥よりもドロドロしてないわね」
「ははっ、財閥の事はヌナが一番知ってるだろ」
あまり減らない烏龍茶。
やっぱり私は根っからの女だ、飲みながら話すよりも……こんな面白い話は『話すことだけ』に集中したい。
「財閥は──……」
今でこそ、沢山の事を乗り越えてテヒョンやアボジが頑張ったからこそ絶対的な地位を、もう落とし所のない様な位のレベルで築き上げている。
ロッテもヒュンダイもアートも──手に負えない。と思っているんだろう。
だから他財閥は私達の言う事は絶対的に聞くんだ。
「帝国は──」
「今でこそ、無敵ってやつよ。もし財閥に対する税金を20%から30%にするという書類に私達がハンコを押すと、他の財閥も押さざる得ないの」
「それは帝国に逆らう事になるから、ね。帝国がゴーサインを出してるんだから俺達がごちゃごちゃ言えない。言えっこない。皆、そんな考えを持ってる」
「でも、あの時──私とテヒョンが付き合ってると公に発表された時」
「あんな時なんかは、こぞってロッテとか大手財閥は私達を抜かそうと必死になっていた。アラを見つけようと、何か抜かせる場面はないか、と」
「そういう事もあって、私達は他財閥とは必要以上に仲良くしないのよ。むしろ、ロッテなんかは家族での食事の時は帝国の悪口を散々言ってると思う」
「………。」