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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第10章 子育てはエゴイズム
「金を稼いだ人間が次に欲しがるのは名誉だ」
「だから、ある程度会社を大きくした経営者はNPO法人を作ってみたりボランティアをしてみたりする。まあ善の心が全てではないんだけどな」
「そういう行動が自分の格を上げて新たな仕事を見つけてくる──経営者には損得勘定っつーものが必ず存在する、勿論マフィアや半グレ連中にも」
「………。」
「ハンソン兄弟は『人間じゃない半グレ』から『表世界とも通ずるビジネスをしている半グレ』になりたかった。だから芸能界っていう世界を狙った」
「でも──そこには神宮会が居たってこと?」
「そう、神宮会が邪魔になったんだ。」
「でも、どうしてその話から飛んでイキナリ子供になるの?イラつく矛先が違うじゃない」
「それは違う。初めは──そうだな、分かり易く説明するよ」
「ハンソン兄弟と神宮会が話をする場を作ったのは今から三年前だ、丁度韓国のアイドルや俳優が中国で人気になって二年くらいが経とうとした時だな」
「その時、向こうは神宮会に『悪い様にはしない、だから一枚噛ませてくれ』と頼み込んだ」
「……。」
「言い分はこうだ、俺達が持っている韓国の芸能事務所のボディーガードの役割を自分達がする。と。」
「そうなればアイツらは大陸のマフィアとも対等に話せる箇所を作った事になるからな。だから本当に悪い様にする事は無かった……と思う」
「でもその場に同席したイルトのアボジとジェジュンのアボジは勿論、断るわな。」
「組織の仕事が無くなる様なモンなんだ。第一に、例え幾らかハンソン兄弟から金を月々貰う契約をするとしても、だぞ?誰が人身売買で子供の臓器売ってる様なヤツ達に自国民を売り飛ばす?」
「確かに。」