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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第10章 子育てはエゴイズム
「……へえ」
「で、噂が回りだしたんだ。そこがしてたファミリーの人身売買のルートを中国人がかっさらったらしいってな」
「──それがハンソン兄弟?」
「だろうな、しか居ねえだろ」
「そうだね。」
「アイツらの気持ちも分かるわ、せっかく自分達は軍資金を貯めてそこそこ名を響かせて、話しを付けに行ったのに、行った先で『溝鼠』なんて言われて。」
「……もういいわ、俺達はどうせ──って自暴自棄になった結果、その当時人身売買の最大ルートを持ってた"あのファミリー”を殺したんだろうな」
「……で、その一年後。つまり、今から一年前。」
「今まで目を付けていた『母親がシャブ中の売春婦の子供』や『捨てられた子供』ではなく、ロシア高官や国営会社の幹部の子供と言った"誰からも好かれるミッキーマウスの子供"が誘拐される事件が起こった」
「ロシアは警察とマフィアが通通で知られてる。とあるロシア連邦警察の偉いさんからの捜査協力依頼を受けた俺のアボジは、いくつかの証言を繋ぎ合わせて一つのカードを引いた」
「そこには『中国人』と『兄弟』という文字」
「となれば、アボジ達や警察が『ハンソン兄弟』にたどり着くのは時間の問題だろ」
「………。」
「そっからだよ、日本の子供と韓国の子供をこれでもかってくらいに誘拐して内臓やらをはぎ取って、まるでミシンで縫ったかの様に綺麗に縫って──見せしめの様な遺体を見つけさせ出したのは」
「なあヌナ」
「なに、イルト」