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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第10章 子育てはエゴイズム
「ヌナはどうしてアイツらが帝国の社員の子供や、まあそこそこ裕福そうな外国人の子供をターゲットにしてると思う?」
「──っ。」
「例えばな、これが金持ちやキラキラしてる子だけに限られてたらまだわかるんだ。でも今回は違うだろ、ロシアの一件はそうだったけど」
「韓国では日本人の子供で、日本では韓国人の子供。なんつーか、俺には何でそこに拘りを持つのか分からないんだよ。」
「海外に住む外国の子っていうのがな──。」
「……」
一気に静まり返った室内。
イルトの疑問は私も不思議に思っていた所だった。
唯一、さきほどの話しを聞いても繋がらない所、というのか何というのか。
「まあ不思議だわ、色々と」
「ジェジュン、それ私のタバコ!」
「いいじゃん、俺のもう無いし」
そう言いながら私のタバコを口に加えてから、これまた人のライターで火を付けて、輪っかの煙を幾つも天井へ拭き出す彼は、細く綺麗な左指を鳴らしながらメンバー全員を見つめる。
「こんだけ三カ国で暴れ回ってるんだぜ、ロシアと日本なんて警察の力が凄い事で知られてる。」
「しかも狙ってるのは"エリートの子供"ばかり。普通なら色々な力が働いて直ぐにアイツら二人の身元や所在地がバレてる筈なんだよ」
「でも、可笑しいじゃん。今日は連絡が来たけど普段は連絡すらないだろ『ハンソン兄弟と思わしき二人が来てます』なんていう」
「えっ、どういう事?」
「何だ、いきなり目大きくして。」
「いやっ、ねえジェジュン。どういう事よ?」