この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第10章 子育てはエゴイズム

「……だから、俺達五人の親の組織はな、自分の力だけじゃなく協賛組織の力も借りて『金払いが良い』『中国人っぽい』『兄弟と思わしき二人組』が来たら連絡入れる様には言ってるんだよ」
「それは神宮会と新家、チグウ会の有る韓国と山口組の日本……あと──ロシア。こんだけのネットワークに広まってるわけ」
「でも一か月に一回、それと思わしき人物が来たっていう連絡があれば良い方で実際は二か月くらい連絡が無い時も有る」
「可笑しいだろ。現に今日から辿って過去一か月は連絡がなかった、だけど今日行って──そこに、ヌナが居た。なんか不思議なんだよ」
「アイツらほど金持って遊び歩いてる様なヤツ達なのに、割れてるのは兄弟って事と名前と各自の仕事内容だけ。顔もどれが兄貴で弟か、なんて分かりもしねえほど曖昧で。」
「親父達と話した時なんか、すげえ出来の良いマスク付けてたとか言われてるんだよ。だから顔もアレが本当かすら分からないってな」
「ましてや指紋も髪の毛も何一つ無い」
「追い打ち掛ける様に、遊び場所さえ特定できてない」
「俺達五人は金もありゃ、顔も良くて、時間も有った。だから──色々な所で色々な遊びをしてたワケだ。」
「アイツらも言われている年齢を配慮すると女を抱くなり酒を飲むなりEDMを聞くなり『そういう遊び』をするに決まってる」
「でも──その証拠すらつかめてないんだ」

