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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第3章 共働きの財閥


「よお、久しぶりだな」

「お久しぶりです」

「まあ座れよ」

指を刺したのはテーブルを挟んで向こう側にあるソファーだった。サファイアが遊びに来た時は、大体ジン君とルイ君がそこに座っている。

私に軽く頭を下げてからゆっくりと腰かける五人は──全員、かなり端正な顔立ちをしている。


「リサ、紹介する。コイツ達は『FBK』」

「エフビーケー?」


芸能人……というかテヒョンが紹介するって事はBNの新しいアイドルグループか何かだろうな。

全員が男前で身長が高くて……この流れで、この人達が今度の帝国絡みのビジネス発案者だとかそう言った事はほぼ有り得ない。


「一か月後にデビューする事が決まってるアイドルグループ」

「やっぱり、頑張ってくださいね」

「あざっす」

真ん中に座っている子は、そうだなあ。日本で言うと山Pに似た王道のアイドル顔。

デビュー前だというのにテヒョンもよく愛用しているザノッティのシャツを着て、ヴィトンのジーンズを履いて……ブレスレッドはクロムハーツだろう。

中々羽振りが良さそうだった。


「見て分かる通り、こいつらは全員男前なんだよ」

「うん。」


韓国のアイドル達はデビュー前は『練習生』という扱いになる。

事務所負担で歌やダンスを教えて貰うから、本来なら皆苦しくて裕福ではない暮らしをしているはずだ。

だけど──この五人から漂う『お金に困ってない感』


それが凄く不思議だった。

隣で優雅にタバコを吸ってるテヒョンでさえも、他のサファイアメンバーたちでさえもデビュー前や売れる前までの5年位は貧しい生活をしていたのに。

「リサ、俺達の会社の代表知ってるだろ?」

「うん、私たちが再開した時に同席してたじゃん。お洒落で優しくて紳士な方でしょ?」

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