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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第11章 重要参考人の貴婦人様
──視聴率は、彼達の時が民放ナンバーワンだった。
ツイッターやインスタグラムに溢れる"ロック・エロテイスト"の新曲への肯定的なコメントと彼達のセンスや歌声、そしてルックスに対する称賛の言葉。
マネージャーとして彼達の番組収録をこの目で見れなかったのは残念だったけど……でも、この勝負に関しては『勝った』と胸を張って言える出来栄えと世間からの意見だった事は確かだ。
『そうか、でも残念だよな、会長』
『俺、やっぱりマフィアの子をデビューさせるなんて反対だわ』
『アイツらは干してくれ。まだ撮影していないスケジュールは全部中止だ』
「なっ──テヒョン!」
今日一番の私の大声。
「ああ?何だよ」
「何って……私こそ、何なの?それって私への当てつけ?」
「──オメエがハンソン兄弟とFBKの繋がりに何かを思ってバーミンに行ったんだろ?ってことは──俺があの時に事件の詳細としてハンソン兄弟の名前を言うだけじゃ」
「おめえはVERMINにも行かなかっただろうし、ハンソン兄弟と直接話すなんていう危険極まりねえ行動もしてなかっただろうが」
「だからって──!それはちょっとアンマリでしょ」
『なあ会長、どう思う?』
『俺の場合は財閥だ、バレても婚外子でも結果は少女漫画になる。でもアイツらはどうなんだよ』
『いくら資産が有るとか裏では顔が通ってるなんて言っても"マフィアの子"なんだよ』
『知りませんでした、で後からBNが逃れるのも無理があんじゃねえの。それならよお、今の内に潰しておくのが手じゃねえの』
「あっ──あんたねえ!!」
立ち上がった私は、急いでテヒョンの隣へ行き強引に携帯を奪い取って通話を終了させた。その衝動で日本酒の入っていたグラスが静かに倒れる。