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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第11章 重要参考人の貴婦人様
「ああ!?何か文句あんのかよ!」
「あるわよ!何で「俺の言ってる事が間違ってるってか?」
「オメエはそれほどまでに──自分の身を危険にして、帝国の嫁で有りながらVERMINに行って、散々嫌だ疲れたって言ってた四時間の聞き込みをされてるんだぞ!」
「その環境を作った根源のヤツらを──FBKを守りたいってか!?なあ!」
「なっ……何考えてんのよ!!」
空になったグラス……というよりはお猪口だろう。お猪口を思い切りテヒョンに投げつけると、彼の綺麗な頬に血が少しだけ滲んだ。
だけど、そんなのお構いなしで今度は力強く彼の胸倉をつかんで顔をグッと近づける。
「あんた──変わったんじゃない」
「ああ?」
「警察から彼達の出生を聞いた時もマフィアだとか何だとか思ってたの」
「生まれが悪いから彼達が叩かれるって?BNが逃げれないって?──俺はっ……俺は婚外子でも父親が帝国の元会長だから問題ないって?」
「ねえ、あんた本気でそんな事思ってんの!?」
ぽつりと自分の頬が濡れた。
ああ、ダメだな。また泣いてしまってるんだ、私。
「テヒョン……貴方が……貴方が一番、あの子達に寄り添ってあげないとダメな人なんじゃないの。ヒョンなんでしょ!?」
「私、あんたはそんなの気にしない人だと思ってた。」
「バレても──世間から何を言われても『努力してきたコイツ達はマフィアじぇねえだろ』って言える人だと思ってた」