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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第11章 重要参考人の貴婦人様

「……ッ」


「忘れないでよ、アンタも婚外子なの」

「私も色んな男に貢いできてもらった女なの」


「そんな私達がここまでやってこれたのは、国籍や日本と韓国の歴史的な問題を別にして二人の間にある愛は勿論……私達個人を"個"として評価して──」

「そして、何度も何度もピンチの時にチカラになって、時には自分が批判されるのを覚悟で『アイツらは』と声を上げてくれた沢山の人達が居たからでしょ」


「だからこそ──私達、こうやって夫婦になれてるんじゃないの」



「それなのに──」

「テヒョン、変わったよ。」



「ちっ、違う……俺はただ「何も聞きたくない!この差別主義者!わからずや!!」

自分のバッグだけを持って、必死に引き留める彼の声を無視して外に走り出した私。

不思議そうな顔でスタッフさん達に見られたけど、誰も私の腕を掴む事は無かった。


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