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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第3章 共働きの財閥
「そう、パンさん。あの人も年齢がいってて、あと何年生きれるんだろうなって俺達サファイアとパンさんとでよく話すんだけどさ」
「うん。」
「あの人が死ぬ前に成し遂げたい事、お前何か分かるか?」
「うーん、お金系?」
すっかりと韓国語でも話せる様になった私の言葉を聞いて、五人がクスリと小さく笑い出す。
まるでその笑みが人を小バカにした様な笑みで、大人げなくイラッとしてしまった。
「ちげえよ、BNの金に関しては俺達サファイアが居る限り永遠に安パイだろうよ。」
「確かにそうね」
「あの人は」
「BNに続くグループを作りたいんだ」
「なるほど」
静かに納得をしてから、もう半分になった紅茶が入っているマグカップを手にもった。
「日本のジャニーズでも目指す先はSMAPさんだろ?でも、どうだ。実際、SMAPさんの後に続けるかもって老若男女問わず思われてるのは嵐さんのみ」
「他にも沢山のアイドルグループがドームツアーして、売れてってしてるのにメンバー全員の名前が認知されて、不動の地位を築ける可能性を持ってるグループってのは一組しかいない」
「その一組でさえも、『やっぱりSMAPには勝てないか』って言う人には言われてるんだよ」
「俺達Sfireが韓国のSMAPならコイツ達FBKは韓国の嵐、にならないとダメ。」
「まずはその次元にいかねえと──俺達と同じ土俵に立つ事ももっと言うならば近くのラインに来る事も不可能なんだよ」
「ただでさえアイドル戦国時代と言われる今、それなりに流行ってそれなりに歴史を塗り替えて、それなりに話題になって……メンバー全員が年老いても安パイだ、なんて言いきれねえグループになる事は目に見えてる。」
「でも、そこはBNの力があるじゃない」
「BNに所属してるグループを見てみろよ。」
「確かにビルボードで賞を取ったり、韓国のアイドル業界では総なめしてる様にも思えるけど──じゃあお前に聞くけど、SMAPにアイツ達がなれると思うか?」
「俺達サファイアを超えれると──本当にそう思うか?」
「………。」
コイツは決して自分の事を過大評価なんてしていない。
本当に、こいつの言ってる通りアジアでは……いや、全世界でサファイアってのは偉大なグループとして認識されているんだ。