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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第11章 重要参考人の貴婦人様
一切、私には要らない情報が入らないように配慮してくれてたんだと思う。
実際、こんなにお金があってそれなりに自由にさせてくれてる割りに、そんな危ない場面に遭遇したことなんて無かったんだから。
餌にしようと近付いてくる輩が数人は居ても可笑しくないのに──。
「──アタシがキツかったの?彼は正解だったのかなあ。」
「……だからこその帝国夫人ね。」
誰も返事なんてしてくれないハズだった。
でも、まるで『そうです。貴方は帝国のソン・リサなんです。』と言うようにして、タイミング良くノック音が響く。
EDMはほぼ聞こえなかった。
「はい?」
ミルクティーだろうか。
ドアに視線を移した私の目に入ったのは、──まさかのアイツ。
「……丁度、この前の韓国料理SUMIでご飯を食べていました。」
ニコリと不器用なほどに上品を張り付けた様な笑顔で笑うのは……
そう、あたしとテヒョンの揉め事の発端である"ハンソン兄弟"の兄貴。
ユンサ──だ。