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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第11章 重要参考人の貴婦人様

「アンタは……ユンサは、イルトやジェジュン、『FBK』のメンバーのことさえも嫌っている。」

「勿論、私が彼達のマネージャーなのも知っているんでしょう。彼達に精神的なダメージを与えるための私なの?」


「それは違います。」

今日はイヴ・サンローランのスーツだ。

ゆっくりと脱いだジャケットのタグにはイヴ・サンローランのロゴが入っている。

前はグッチで今日は──

確かに、捜査通りこの兄弟の資金力っていうのはスゴいのかもしれない。

「前から知っていました。」

「私のことを……?」

「ええ、中国本土でも大きな話題になりましたし。──でもね、まさか憂いを帯びた貴方を見れるとは思わなかったんだ。」

「憂いを帯びる?どういう事。」


「財閥のヤツ達は、財閥ということに胡座をかいて他人を見下す。それが二世・三世となれば尚更。」

「そして、そいつ達の彼女や嫁もそうだ。」

「どこの財閥の何男の彼女だ、なんて顔して人や自分を格付けするでしょう。『這い上がりは外道な成り上がり』だと云う様に、嫌いながら。」


「………。」


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