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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第11章 重要参考人の貴婦人様
「私は……」
思い返すのは、私がテヒョンの彼女だと──日本人の女と付き合っている。と報道されたサファイアの活動休止が発表された当日。
今思い返すと世界規模のグループとは云え、ヤフーもテレビもありとあらゆるニュースがソン・テヒョンという男の報道でいっぱいだった。
「私は貴方たちと同じ成り上がりなの。勿論テヒョンも」
「私なんかネットで書かれた通り、日本の家も車も全部男からの貢ぎ物でフィーリングが合えば体を預ける、なんていう"軽い女"でさ」
「そんな私が、帝国夫人になれたのは出会いのおかげでもあるけど──それだけじゃないと思ってる。」
「それこそ……」
普段はあんまり言えなかったし、言おうとも思わなかった。
でも今なら言える。
「私はかなり努力をしたわ」
「半分拉致みたいな形で、韓国に連れてこられて右も左も分からないけど、ただただ生きるのに必死だった。だから、がむしゃらに生きてきた」
「そして彼を好きになって、彼のパートナーに相応しい女になるべく自分磨きも韓国語も、何より……ただただ信じてアイツについていくっていう簡単に見えて一番難しい事をやり遂げた」
「だから今がある」