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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第3章 共働きの財閥
「そこで、お前のアミューズでの実績を調べてみた」
……何だかイヤな予感がする。
私の実績なんて本来ならこの子達が売れるに必要なんて全くないはずだ。それなのに──ここで私を出してくるテヒョンが考えている事。
何年も夫婦をしてきた私に分からない筈がない。
「ちょっ、ちょっと待って!アンタの言いたい事なんて大体わかるんだけど!」
「じゃあ言ってみろよ」
「無理無理っ!私が今ここでソレを口に出すと事が本当に起きそうな気がするもんっ、だから死んでも口には出さない!でも──聞かせて」
「何だ?」
「何で私なの?アンタ達をここまで売れさせたマネージャーさんや会長本人が居るじゃない!他にもBNには優秀な人材がそろってるはずよ」
「一つ、大きな問題が有ったんだよ」
「何」
「こいつらの要望が『女マネージャー』であること」
「……だっから!女マネージャーでも優秀な人なんて腐るほどいるじゃん!」
「こいつ達がFBKとして結成して三年、三年の間にマネージャーが何人入れ替わったと思う?」
「さっ、さあ。」
「少なく見積もって67人だ。一年で20人以上が辞めてる」
「その理由は──コイツ達の女癖の悪さなんだよ」
「はあ!?」
私の驚いた声は、あの時と同じ位のボリュームだった。廊下に居るソヨンさん含むお手伝いさんは、きっと肩を上げて驚いているだろう。
「付くマネージャー全員に手出して、挙句の果てには『付き合ってるつもりは無かった』とか『お前の事は肉便器としてしか見てない』とか散々言う訳、つまりコイツ達はメンヘラ製造機なんだよ」
「……。」
「辞めさせたらいいじゃん」
「どっちを、だ?」
「この子達五人を、よ!確かに全員格好良いしスタイルも良い、でもそれだけなら他の練習生も居るでしょ?」
「それは無理なんだなあ。」
「どうして?」