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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第11章 重要参考人の貴婦人様
「韓国では日本と違い、ハーフの地位は低いんです。それはテヒョンさんを旦那にもつリサさんもよくご存じだと思います」
「ええ、それは知ってる。ミックスとか雑種とか、本当バカにされた様なあだ名をつけられるのよね。幸い、子供たちは無事なんだけどさ」
「ははっ、テテ君とアイちゃんですか。──彼達が何故、そういった人達の標的にされないか分かりますか?」
「そんなの決まってる。彼女の父親が帝国財閥の会長だから、よ」
「……そうです」
──それが、韓国だ。
私の第二の故郷である『韓国』の特徴。
「母親は父のDVに耐えれず、韓国へ帰国。でも学歴も何もないが故に『売春婦』として僕たち兄弟を育て上げました。」
「……ばいしゅんふ」
「そうです。そして中国の金持ちに見初められ、僕たちを連れて中国にいったんです。だから僕たちは十二歳の時に中国へ移り住みました。」
「勿論、新しい父親に愛される事もなければ、薬の運び屋とか子供だから目の付けられない様な悪い事ばかりさせられてましたけど。」
「母は父の性処理の道具で、僕たちはビジネスの道具だったんでしょう」
だから彼達の国籍は『中国』なんだ。
でも中国の血はどこにも入っていない。──これで、少し話が繋がった気がした。
「僕たちは、『売春婦の子供』以前に、ミックスと蔑まれました。韓国でも中国でも、ね。」
「でも──今は──」
「本土でも韓国でもバカにされて蔑まれた僕たちは──、女に困らない状況に居ます。英語が話せるから、ワールドワイドなビジネスの話も入って来る。それによって、お金も裏の世界での権力も手に入った。」
「女は金や権力が好きなんですよ、僕たちがコカインを使うのは『精神的な快楽』のためであって、女をシャブ漬けにして離れさせない為じゃあない」
「それを使わなくても、貴方たちの元から離れない。そう言いたいんでしょ」
「──そうです。」
「じゃあ……日本は関係ないじゃない」
「関係有るんですよ」