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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第11章 重要参考人の貴婦人様
「ちょっとマシになったのか」
「いやっ、まだクラクラする。でも体が慣れたのかして頭痛とかは収まってきた。」
それでも激しい動悸は有る。
大丈夫なのかな?なんて思っていた時、慣れた手つきの彼は私には理解できない韓国語を大きな声で叫ぶと水を透明のグラスについだ。
唯一割れていないバカラのグラスに。
「何されたんだよ」
「弟の方に酒にコカイン混ぜられた」
「……っ、」
明らかに表情を変えたFBKのリーダー。
私が薬物初心者だった事と、肩の揺れを見て、そこそこの量が体内に入ったことに確信を持ったんだろう。
「で、色々飛んで兄貴に文句言ってドンペリの瓶で頭殴ったら、弟が逆上したの、そこで又ムリ「──帰れ」
どうやら薬を頼んだようだった。
ほらっ、と手渡されたのは見たことのない粉。きっと市販の薬局には売っていないな、と野生の勘が働く。
「コレ、ウチで作ってる薬。」
「飲んで寝たら体内の毒素とか麻薬成分が汗で排出されるようになってるから。」
「直ぐに帰ってそれ飲め。じゃねえと、お前致死量越えて死ぬから」
冷静にそう言い放ったイルト。
あまりに冷静過ぎて現実味が帯びない。
「ヒョンの……ヒョンの所に帰れ「帰らない!」
はあ?と言いたいのかな。