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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第11章 重要参考人の貴婦人様
「俺がどんだけ我慢してると思ってんの?どんだけ自分殺してアンタと一緒に居ると思ってる?」
見下ろす瞳はライオンの様。
『狙った獲物は逃がさない』という言葉がぴったりだし、実際に彼は"GAME"の最強者だ。
逃がした事なんて無かったと思う。
「……ヒョンの嫁だからって、俺達のマネージャーだからって。」
「──本当は独占したかったし、練習終わって一緒に飯食って帰るとか、そういうのをヌナとしたかった。」
「出会う時が遅すぎたんだって、毎日毎日考えてたんだよ。叶いもしねえ恋愛なんて俺らしくねえし、先ずこの関係が壊れちまうなら、俺は俺のままこうやって日陰でヌナを守ろうって」
「俺はっ──。」
「俺は、バカだしガキだけどやっとデビュー出来て自分で金を稼ぐ様になった。ヒョンの帝国グループには負けるけど、そこらのヤツには勝てるほど稼いでいく自信しかねえし……」
「もっというなら、その金はヌナの為なら水の様に使えるわ。」
「………。」
「そんだけ思ってても、俺は俺で自分を制してた。なのに──オメエは…」
頭上に手を固定され、ゆっくりと近付いてくるイルトの綺麗な顔。
目を閉じる間もなく、品の良い唇が私に触れるとタイミングを見計らったかの様に、生暖かい舌が歯列をなぞる。
「……ッ!」